斧節

混ぜるな危険

インドの宗教史

『世界の名著1 バラモン教典 原始仏典』長尾雅人責任編集
・『ウパニシャッド』辻直四郎
『はじめてのインド哲学』立川武蔵
『バガヴァッド・ギーター』上村勝彦訳
・『バガヴァッド・ギーターの世界 ヒンドゥー教の救済』上村勝彦
・『神の詩 バガヴァッド・ギーター』田中嫺玉訳

 ・インドの宗教史

『空の思想 仏教における言葉と沈黙』梶山雄一

 インドの宗教史は、おおよそ以下の6期に分けることができる。


 第1期 紀元前2500年頃~前1500年頃 インダス文明の時代
 第2期 紀元前1500年頃~前500年頃 ヴェーダの宗教の時代(バラモン教の時代)
 第3期 紀元前500年~紀元600年頃 仏教などの非正統派の時代
 第4期 紀元600年頃~紀元1200年頃 ヒンドゥー教の時代
 第5期 紀元1200年頃~紀元1850年頃 イスラム支配下ヒンドゥー教の時代
 第6期 紀元1850年頃~現在 ヒンドゥー教復興の時代


【『空の思想史 原始仏教から日本近代へ』立川武蔵〈たちかわ・むさし〉(講談社学術文庫、2003年)以下同】

 フーム、教法流布の先後が崩れている。宗教の五綱(五義)は一種のマーケティング概念だと私は認識している。教相判釈という観点では五重の相対ほどの破壊力はない。

 富士門流の教学に染まっているせいか立川武蔵の著作を理解するのが難しい。宮崎哲弥が立川を推しているところを見ると、むしろ立川の方がメインストリームなのだろう。仏教書を読む際には起点を知っておくことが大切で、ブッダ最澄空海-鎌倉仏教と大きく三つに分かれる。

 インド仏教は紀元前5世紀あるいは紀元前4世紀に生まれて、13世紀頃にはインド亜大陸から消滅したのであるが、この千数百年の歴史は初期、中期、後期の3期に分けることができよう。
 まず、初期とは仏教誕生から紀元1世紀頃まで、中期は紀元1世紀頃から600年頃までの時期を指す。後期とは紀元600年頃以降、インド大乗仏教滅亡までである。

 つまりインドで仏教が滅んだ時に鎌倉仏教が興(おこ)ったわけだ。西洋では教皇権が隆盛を極め、イタリアからはトマス・アクィナス(1225頃-1274年)が登場する。