斧節

混ぜるな危険

宗教の社会的側面は善悪に渡る

・『宗教で得する人、損する人』林雄介
・『完全教祖マニュアル架神恭介、辰巳一世
・『サバイバル宗教論佐藤優
『イスラム教の論理』飯山陽
『日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか』小室直樹
・『宗教は必要かバートランド・ラッセル
『精神の自由ということ 神なき時代の哲学』アンドレ・コント=スポンヴィル
・『神は妄想である 宗教との決別リチャード・ドーキンス
・『解明される宗教 進化論的アプローチ』 ダニエル・C・デネット

 ・宗教の社会的側面は善悪に渡る

・『人類の起源、宗教の誕生 ホモ・サピエンスの「信じる心」が生まれたとき』山極寿一、小原克博
『人間の本性について』エドワード・O ウィルソン
・『神はなぜいるのか?パスカル・ボイヤー
・『脳はいかにして〈神〉を見るか 宗教体験のブレイン・サイエンス』アンドリュー・ニューバーグ、ユージーン・ダギリ、ヴィンス・ロース:茂木健一郎
『奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき』ジル・ボルト・テイラー
・『人間この信じやすきもの 迷信・誤信はどうして生まれるか』トーマス・ギロビッチ
・『動物感覚 アニマル・マインドを読み解く』テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン

 しかし、宗教がどれほど強く個人の信念から生じるように見えても、その実践はきわめて社会的である。ヒトはみな同じ信仰を持つ人とともに祈りたい、と個々人が信じているからだ。ひとりで祈りを捧げることもあるが、宗教活動や儀礼は社会的なものだ。宗教は共同体に属し、そのメンバーの社会的行動、すなわち、互いに対する(内部)行動と、信者でない者に対する(外部)行動に大きな影響を及ぼす。宗教の社会的側面は非常に重要である。他者へのふるまいを司るルールこそが、その社会の道徳だからだ。


【『宗教を生みだす本能 進化論からみたヒトと信仰』ニコラス・ウェイド:依田卓巳〈よだ・たくみ〉訳(NTT出版、2011年)】

 むしろ宗教発生の歴史を辿れば、呪術性や供犠からも明らかなようにコミュニティの結束を強化させる機能があった。国際的に見れば宗教性が乏しいとされる日本であっても、これだけの祭りが残っているのである。昔、浅草を擁する台東区の青年部長が「もう、祭りとなるとじっとしていられない」と語っていた。

 教団とはタブー(禁忌)を共有する集団である。その内容が社会の常識から懸け離れているほど教団内の結束は強くなる。例えばエホバの証人が該当する(輸血禁止など)。

 安倍晋三元首相の暗殺によって、統一教会の高額献金が社会的な問題となっている。確かに集会の動画を見る限りでは異様な雰囲気で、過激なマルチ商法そっくりだ。しかも日本人から毟(むし)り取っていたという。悪質な献金を規制する法整備に向けて動いているが、「テロの効果」を証明しているような慌て振りがどうも気に入らない。

 オウム真理教事件(1990年前後)の時ですら政府は破防法の適用を避けた。それを思えば今回の統一教会に対する反応は、岸田政権の支持率アップを狙ったわかりやすいポピュリズムにしか見えない。

 公明党が神経質になっているということは、創価学会本部から圧力が掛かっているのだろう。個人的には献金規制にも反対だし、悪質な教団を摘発するのは現行法の範囲内で構わないと考えている。その上で創価学会の反社会性を挙げてみよう。

・高額な財務の強要。とは言っても100万円である。一部では「家屋敷を売れ」という指導性も(数億円単位の寄付を強要する創価学会)。
障害年金受給者や生活保護受給者に献金をさせている。
聖教新聞の多部数購読。中には100部購読している人もいる。無論、宅配はしていないが。
・書籍および民音チケットの強制購入。
最低賃金以下で聖教新聞の配達をさせている(請負契約)。
・活動が長時間に渡るため子育てが犠牲になる。
公明党への投票を強要。党批判は裏切り者扱いされる。
・政治家に立候補する権利がない。かつて都知事選に立候補した桜金造は、それからというもの聖教紙面から姿を消した。
・宗教施設で選挙活動を行っている。

 ま、こんなところだろう。法律で規制するほどのレベルではない。本当に問題であるならば脱会すればいいだけのこと。それが難しいのは、やはり創価学会員の人数の多さである。近隣や親戚との関係が悪化することは避けられない。その程度のことは個人の努力で何とかすべきだろう。

 巷間で言われる住民票の移動・香典詐取は私が知る限りない。集団ストーカーは稀にある。他宗信徒への暴力行為も時々ある。