・『「量子論」を楽しむ本 ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる!』佐藤勝彦監修
・『黒体と量子猫』ジェニファー・ウーレット
・第5回ソルベー会議
・『宇宙は「もつれ」でできている 「量子論最大の難問」はどう解き明かされたか』ルイーザ・ギルダー
・『二重スリット実験 量子世界の実在に、どこまで迫れるか』アニル・アナンサスワーミー
・『量子が変える情報の宇宙』ハンス・クリスチャン・フォン=バイヤー
・『すごい物理学講義』カルロ・ロヴェッリ
・『宇宙を復号(デコード)する 量子情報理論が解読する、宇宙という驚くべき暗号』チャールズ・サイフェ
第5回ソルヴェイ会議は、「電子と光子」をテーマとして、1927年の10月24日から29日にかけて、ベルギーの首都ブリュッセルで開催された。その会議に参加した人たちの集合写真には、物理学の歴史上、もっとも劇的だった時代が凝縮されている。招待された29人の物理学者のうち、最終的には17人がノーベル賞を受賞することになるこの会議は、歴史上、もっとも輝かしい知性の邂逅のひとつだった。そしてまた、物理学の黄金時代――ガリレオとニュートンによってその幕を切って落とされた17世紀の科学革命以来、科学的な創造力がもっともめざましく発揮された時代――の終焉(しゅうえん)を告げる出来事でもあった。
【『量子革命 アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突』マンジット・クマール:青木薫訳(新潮社、2013年/新潮文庫、2017年)】
人類の煌(きら)めく知性が集結した第5回ソルベー会議は、量子革命を巡るボーア=アインシュタイン論争のゴングを鳴らした。その闘いはアインシュタインの死後まで続いた。
「発見は悟りと似ている」に書いた科学者の中でノーベル賞を逃したのはパスクアル・ヨルダンのみで、親ナチスという政治スタンスが災いした。
私にとってボーア=アインシュタイン論争は鎌倉仏教以上に血湧き肉躍る歴史で、「悟りの時代」の扉を開いたようにさえ思える。