斧節

混ぜるな危険

創価ファシズム

『池田大作 幻想の野望 小説『人間革命』批判』七里和乗 1994年

 ・政・財・学と創価学会の癒着
 ・戸田城聖の遺産は4億2000万円
 ・会長辞任に追い込まれた背景
 ・牧口と戸田が戦争に反対した事実はない
 ・御書全集の刊行も金儲けが目的だった
 ・創価ファシズム

『徴税権力 国税庁の研究』落合博実 2006年

 七五年三月、卒業した一期生たちは、石井らを中心に、卒業生の集い「創友会」を結成。物心両面での大学支援を開始する。
 七五年六月二十六日、学生自治会中央執行委員長正木正明を中心に、臨時学生大会が開かれ、学費値上げを前提に、学生と理事会で「学費対策委員会」を設置することを決議する。同委員会の答申を受け、十月十五日、あらためて臨時学生大会が開かれ、学費改定が承認された。
「学費の値上げ 学生側が主唱 創価大学」 (「朝日新聞」七五年六月十八日付)との見出しが躍った。


【「池田大作の軌跡」編纂委員会:『潮』2008年9月号/創価三代の誉れ

 上記記事では末尾に池田の独裁を否定する発言を盛り込んでいる。実に芸が細かい。全国各地で学生運動が吹き荒れる中、創価大学では学生が学費の値上げを主張した。それを私は学会批判本で初めて知った。創価学会としては、「大学紛争などない麗(うるわ)しい世界」との印象付けを狙ったのだろう。

 しかしながら、よく考えてみよう。権力者の意図を察知して、事前に迎合あるいは額(ぬか)づいてみせるのは、中国や北朝鮮などの独裁国家でまかり通っている態度だ。ナチズムに支配されたドイツでも同様だった。

 かなり前のことだが、私はこの耳で、ナチスのある有名なアジテーター(扇動者)が熱狂した農民を前に、「われわれは、パンの値下げも、値上げも、固定化も要求していない。われわれは、ナチズムによるパンの価格を要求する」と演説するのを聞いたことがある。この言葉ほど、ファシズム全体主義の本質を的確に表現したものはない。


【『ドラッカー名著集 9 「経済人」の終わり』P・F・ドラッカー:上田惇生〈うえだ・あつお〉訳(ダイヤモンド社、2007年/岩根忠訳、東洋経済新報社、1958年)】

 コンサルティング業界では教祖と崇(あが)められているピーター・F・ドラッカーの初著である。筆を起こしたのはヒトラーがドイツ首相となった直後のこと(1933年2月)。ドラッカーは23歳だった。書き上げた後も原稿を温めていた。ドラッカーの予測は次々と的中した。こうして1939年(昭和14年)に刊行されベストセラーとなった。イギリスのウィンストン・チャーチルが最初に書評を書き「タイムズ」で激賞。後に首相となったチャーチルはイギリス軍士官学校の卒業生に与える支給品の中に本書を加えるよう指示した。

 また池田は彼の馬前に屍をさらすという会員の赤誠を耳にして、暗に会員の範としていた。「ちょうど東海道方面で、ある会合があった。100人前後の会合といっておりました。その中で地区部長にある人が『もし小選挙区制になったらどうしますか。われわれはどうしたらよいのですか』と質問した」という。……その時に、ある女子部の区長が立ち上っ(ママ)て『小選挙区制がしかれるようなことがもしあったならば、私どもは本部の指示を待とうではないか。かならずや本部の指示があるであろう。その時は国会前で会長が“死ね”といえば死にましょう。“生きろ”といえば生きましょう。どんな戦いでもその指示を待とうではありませんか。それまでは一生懸命、信心に励めばいいではありませんか』という意味のことをいったそうです。『かならずその時、時に応じて指導があるではないか。そんな心配をする必要はない』と立ち上がっていったそうです。その時に100人の人は水を打ったように『ああそうだ』と、いっぺんでわかったそうです」(池田『会長講演集』十二)


【『池田大作「権力者」の構造』溝口敦〈みぞぐち・あつし〉(講談社+α文庫、2005年/『落ちた庶民の神 池田大作ドキュメント三一書房、1995年に加筆し文庫化)】

 この件(くだり)はしっかりと記憶にあった。二十歳前後の私は甚(いた)く感動したのだ。無私の姿勢、捨て駒になる勇気、不惜身命(ふしゃくしんみょう)というキーワードがないまぜになって、犠牲=美という倒錯した価値観になっていたのだろう。

 統治形態には王政、貴族政、民主政がある。王政が独裁、貴族政は寡頭政治(オリガーキー)のこと。ロシアやウクライナの新興財閥をオリガルヒと呼ぶのも同じ語源による。

「三代会長は永遠の師匠」という宗教的に無理筋な設定を決める前から創価学会は独裁主義に貫かれていた。「池田に反対する人物」が一人もいないのがその証拠である。会員も承知しているのだから問題はない。公明党の代表も創価学会本部で勝手に決めればよい。外野があーだこーだ言う問題ではあるまい。

 ただ、そんな組織が「サンガ」(僧伽〈そうぎゃ〉)でないことだけは弁(わきま)えておくように。