斧節

混ぜるな危険

数億円単位の寄付を強要する創価学会

・『闇の流れ 矢野絢也メモ矢野絢也
『黒い手帖 創価学会「日本占領計画」の全記録』矢野絢也

 ・数億円単位の寄付を強要する創価学会

・『私が愛した池田大作 「虚飾の王」との五〇年矢野絢也
『創価学会 もうひとつのニッポン』島田裕巳、矢野絢也
・『乱脈経理 創価学会VS.国税庁の暗闘ドキュメント矢野絢也

 私が海外出張へ行く時、文春の手記の県で戸田記念国際会館で西口良三〈にしぐち・りょうぞう〉副会長らに脅しと泣き落としで謝罪文を書かされたとき、100万円の寄付を求められている。「それが矢野さんのためです」と言われ、数日後、創価学会本部第一庶務室長で池田名誉会長側近の長谷川重夫氏(現副理事長)に100万円を渡した。そのとき長谷川氏から「罪滅ぼしには財務寄付しかない。寄付をすれば青年部の怒りもおさまるから」と言われた。
 その後、海外出張をへて青年部による吊るし上げ、OB3人の手帖奪取と家探し、寄付の強要という流れである。そして寄付については、この後長谷川氏から「罪滅ぼしのために2億~3億円の寄付をすべきだ」などと繰り返し求められることになるが、それについては後述しよう。


【『「黒い手帖」裁判全記録』矢野絢也〈やの・じゅんや〉(講談社、2009年)】

 西口は既に物故しているが関西方面の実力者で政界にも顔が利いた。池田が左遷しようと試みたが失敗したというほどの実力者である。長谷川は長らく池田の秘書を務めた人物で2015年から理事長に就任。学会組織では特殊な存在で、戦時中の木戸幸一内大臣)と似たポジションにあった。会員からは窺い知れぬ日常の池田の姿や、折りに触れた発言を語り、あるいは騙(かた)ることだけで理事長にまで上り詰めた。誠実そうな仮面の裏側にひそむ野心が侮れない。

 当時の青年部とは谷川(現筆頭副会長)・佐藤(菅首相とのパイプ役)の時代である。私が知る限りでは原田青年部長・野崎男子部長のコンビ以降、僧侶に対して共産党的な吊るし上げを行っている。太田・浅見時代は日蓮正宗との関係が良好であったため暴力的な脅しをした形跡はない。次の正木・谷川が再び吊るし上げに手を染めており、矢野もその犠牲となっている。私からすれば彼らがやいのやいの言ったところで全然怖くないが、世間知らずの坊さんが突然、面罵されればビビってしまうのだろう。録音するくらいの知恵が働かなかったのが不思議である。

 長谷川は池田の存在をちらつかせて自分を大きく見せる幹部で、まさに虎の威を借る狐である。あたかも池田の代弁者であるかのように振る舞うことが多かった。その長谷川が「罪滅ぼしには財務寄付しかない。寄付をすれば青年部の怒りもおさまるから」などと、暴力団さながらの詭弁を弄(ろう)したわけだ。しかも、「2億~3億円」と金額まで指定している。

 長谷川の発言は創価学会本部の意向と見て間違いない。「罪滅ぼしには財務」の根拠となる日蓮遺文はあるのだろうか? というよりはむしろ、創価学会日蓮から離れた別教団になったと考えるのが自然だろう。

 統一教会バッシングがかまびすしいが、野党はこうした創価学会の問題も国会で取り上げるべきだ。