斧節

混ぜるな危険

会長辞任に追い込まれた背景

『創価学会を斬る この日本をどうする2』藤原弘達 1969年
『池田大作先生への手紙 私の自己批判をこめて』原島嵩 1980年
『池田大作 幻想の野望 小説『人間革命』批判』七里和乗 1994年

 ・政・財・学と創価学会の癒着
 ・戸田城聖の遺産は4億2000万円
 ・会長辞任に追い込まれた背景
 ・牧口と戸田が戦争に反対した事実はない
 ・御書全集の刊行も金儲けが目的だった

『徴税権力 国税庁の研究』落合博実 2006年

 池田は日蓮正宗法主・阿部日顕と結んで、55年9月24日、批判派僧侶201人を処分するなど、必死に反撃し、危機を乗り切ろうとした。
 だが皮肉にも、池田の抵抗は池田の旧悪を暴くことにつながり、池田はその名目的な引退期を、脂ぎった醜聞にまみれさせねばならなかった。彼は会長だった時期、彼の語る言葉の全てを記録、保管させ、将来、池田語録や池田会長史を編ませるための体制を整えていたが、その語録や報告書類が54年9月、元教学部長・原島嵩によって持ち出され、元顧問弁護士・山崎正友のもとに預けられた。
 この内部資料は修正前の、赤裸々な池田像を伝えて、虚像でなっていた池田を撃つことになった。池田は将来のために蓄えた過去によって現在を撃たれ、過去の栄光を引きむかれた。その挙句、彼には、(1)43年7月参院選をピークとする大量替玉投票、(2)共産党委員長・宮本顕治宅をはじめとする盗聴行為、(3)池田自身と創価学会の脱税の疑い、(4)国有地などの土地、不動産の不正取得、(5)公明党との政教分離の不履行、(6)元民音職員・松本勝弥などの裁判での偽装工作、(7)その他の反社会的行為――の数々が突きつけられた。


【『池田大作「権力者」の構造』溝口敦〈みぞぐち・あつし〉(講談社+α文庫、2005年/『落ちた庶民の神 池田大作ドキュメント三一書房、1995年に加筆し文庫化)】

 昨日紹介した記事を読んで心のスイッチが入った。創価学会はもはや完全な反社会的団体であり、市井(しせい)の庶民を訴訟で脅迫する手口は到底看過できるものではない。また、かような団体を支持母体とする公明党が政権与党となっているのも大いに問題があると考える。論語に「義を見てせざるは勇無きなり」とある。これこそ我が信条である。

 かつて民衆を護ると嘯(うそぶ)いた創価学会は、完全に民衆を抑圧する方向へと舵(かじ)を切った。今後は会員から徴収した莫大な寄付金でもって自分たちの立場を危うくする人々を訴え続けることだろう。見下げ果てた輩である。そのうち何らかの事件が起こるに違いない。

 溝口敦は学会批判本を数冊著しているが、内容がいいものは一つもない。ただし溝口が創価学会から訴えられていない事実を思えば、取材に裏付けられた記述の正確さを示していると考えてよかろう。年号はいずれも昭和か。創価学会公明党という政党を利用して宗教ビジネスを展開してきた過去が見てとれる。

 しかも、一度(ひとたび)は手を結んだ阿部日顕と十数年後には骨肉の争いに至るのだ。一事が万事で創価学会は常に歩み寄っては裏切る行為を繰り返してきた。それ以前には宮本顕治を裏切り、2000年代になると竹下登をも裏切った。無節操で恥知らずなところが左翼体質をよく表している。