斧節

混ぜるな危険

姿勢(=礼法)に関する覚え書き

坐法に関する覚え書き
マントラに関する覚え書き
アイ・アム(I Am)に関する覚え書き

 ・姿勢(=礼法)に関する覚え書き

 実際に体験すると分かりますが、たった5秒の礼法をするだけで「見えない力=調和する力」が覚醒し、立ち腕相撲で楽々勝つことができます。あまりにも手応えがなく勝ててしまうので、あっけにとられるでしょう。


【『お辞儀のチカラ 礼と志の「武学」 あなたが変わる、人生が変わる、世界が変わる』レノンリー(みらいパブリッシング、2020年)】

 実は本書に書かれている内容を私は既に知っていた。イス軸法の西山創〈にしやま・はじめ〉へのリプライで「礼をしただけでハーフコートシュートを決めるまこっちゃんという人物」が紹介されていた。多分、レノンリーの弟子筋に当たる人ではないかと思う。彼のメールマガジンで概要はつかんでいた。

 簡単に言えば、上半身を真っ直ぐにしたまま、少しお尻を引く感じで倒す。それだけである。空手家の中達也〈なか・たつや〉がほぼ同じことを指導している。

 次に紹介するのは大東流合気柔術光道(ひかりどう)の正坐と立ち方である。

 体幹の力で相手を軽々と飛ばすことができる。

 太極拳のゆったりとした動きは姿勢の力で相手を制圧するものだ。体の重さそのものが力となる。

 姿勢(=礼法)とは骨を揃えることなのだろう。人体の骨の数は206個もある(骨格の解剖について知る | 骨格の概説)。硬い骨は関節や靭帯でつながっている。二足歩行とは、わずか25cm前後の支持点で立てることを意味する。最も重い頭部が最上部にあることもあって、無理なバランスを保つと腰や膝を痛める。あるは首や背中が曲がる。

 赤ん坊が初めて立った時のように、上半身を前倒しにし、背骨を骨盤側から一つひとつ積み重ねる意識で立つと構成が強靭になる。立つこと、坐ること、歩くことは誰にでもできる。しかし簡単なことが実は一番難しいのだ。

 私は歩法についてかなり研究しているのだが、ある歩法をマスターするのに1年を要した。幼い頃から運動神経がよいこともあって完全に過信していた。そして最近、独創的な歩法を編み出したのだが、ここに至るまで3年が経過している。

 姿勢を正すことは想像以上に難しい。生きる姿勢を正すのはもっと難しいことだろう。