斧節

混ぜるな危険

経済的圧力

・『カルト村で生まれました。』高田かや
・『洗脳の楽園 ヤマギシ会という悲劇』米本和広
・『カルトの子 心を盗まれた家族』米本和広

 ・経済的圧力

・『カルト脱出記 エホバの証人元信者が語る25年間の記録』佐藤典雅
・『杉田杉田かおる
・『小説 聖教新聞 内部告発実録ノベル』グループS
・『乱脈経理 創価学会VS.国税庁の暗闘ドキュメント矢野絢也
・『マインド・コントロール岡田尊司
・『服従の心理』スタンレー・ミルグラム

 子どもの頃から抱いていたさまざまな違和感は、次第に膨らんでいき、成長するにつれて消せなくなりました。結果として私は、2018年に自分から教団を離れました。見聞きした内情を You TubeTwitter で発信したところ、教団から損害賠償請求の訴訟を起こされている身です。


【『幸福の科学との訣別 私の父は大川隆法だった』宏洋〈ひろし〉(文藝春秋、2020年)】

 ロングインタビューで構成されている。表紙には死んだ魚のような目をした著者の顔が半分だけ写(うつ)っている。ボヤキ漫談のヒロシを思い出した。覇気のかけらも窺えない表情から内容は察しがつく。

 教団側はかなり慌てたようで、「宏洋〈ひろし〉問題」に関する書籍を7冊も発行している。それほどの言いわけを必要としたのだから都合の悪い事実が書かれているのは間違いない。

 経済的な圧力をかけるところは友岡さんに対する創価学会本部の仕打ちと全く同じである。教団は権力と化し、猛々しい力を発揮する。それは暴力に等しい。とすれば同じ種類の力で対抗するしかない。

 教祖の元に生まれた平凡な男の不幸な日常が凡庸な視線で綴られている。思わず、「お前、これじゃ駄目だろうよ」と言いたくなる。それでも、「大川隆法の腕時計やスーツは特注品で一度しか使わない」との事実を明かしたことは評価できよう。