斧節

混ぜるな危険

神話の価値観

・『経済は世界史から学べ!』茂木誠

 ・神話の価値観

・『「戦争と平和」の世界史 日本人が学ぶべきリアリズム』茂木誠
『「米中激突」の地政学』茂木誠
『世界史講師が語る 教科書が教えてくれない 「保守」って何?』茂木誠

 戦後の日本の教育では「神話は歴史ではない」と軽んじてきましたが、神話というのは、歴史的事実かどうかは問題ではありません。その物語が伝える価値観を知ることが重要なのです。


【『世界のしくみが見える 世界史講義』茂木誠〈もぎ・まこと〉(ヒカルランド、2014年)】

 どの国にも建国神話がある。というよりは神話の豊かさが国の行く末を占っているようにすら見える。GHQが主導した戦後教育は合理性の名の下に古事記日本書紀を否定し、神武天皇から始まる皇統を抹殺した。日教組は近代以前を黒歴史認定し、封建時代を過去の遺物として教えた。

 創価学会の強味は法華経にある。北海道で育った私にとって皇統は無縁であった。上京してから、あるお宅で皇室カレンダーを見た。そんなものは生まれてこの方一度もお目にかかったことがなかった。失礼ながら当時の私は「薄気味悪い」と感じた。これが北教組による教育の賜(たまもの)であることに気づくのは10年以上経てからだった。

妙法蓮華経並開結』を通読したのは26歳の頃である。それまで従地涌出品は何度か読んできた。井上靖著『蒼き狼』は私からすれば涌出品と同じ構成に見えた。

 仏教3000年の歴史や久遠元初という神話が青少年に与える影響は決して小さくないだろう。少年部時代に「育とう伝持の人に」と何度も言われたことを私は忘れなかった。

 武田邦彦は常々、「反日教育が知らず知らずのうちに子供たちの心を傷つけ、生きる力を弱めている」と指摘している。「イギリスの青年が戦後、イギリス病になったのも教科書が原因だ」と喝破している。

皇統という文脈が社会の総意として受け継がれたという事実が重要