斧節

混ぜるな危険

信念にこだわるとものが見えなくなる

・『科学と宗教との闘争』ホワイト:森島恒雄訳

 ・信念にこだわるとものが見えなくなる

・『魔女狩り』森島恒雄
・『聖書vs.世界史 キリスト教的歴史観とは何か』岡崎勝世
・『人間この信じやすきもの 迷信・誤信はどうして生まれるか』トーマス・ギロビッチ

 普通の人の心の世界は、自分が文句なしに容認し固く執着している信念から成り立っている。このなじみ深い世界の既成の秩序を覆(くつがえ)すようなものに対しては、普通の人は本能的に敵意をもつものである。自分のもっている信仰の一部分と矛盾するような新しい思想は、その人の頭脳の組替えを要求する。ところがこれは骨の折れる仕事であって、脳エネルギーの苦しい消耗が強要される。その人と、その仲間の大衆にとっては、新しい思想や、既成の信仰・制度に疑惑を投げかけるような意見は不愉快であり、だからそれは彼らには有害な意見に見えるのである。


【『思想の自由の歴史』J・B・ビュァリ:森島恒雄〈もりしま・つねお〉訳(岩波新書、1951年)】

 森島三部作を読んだ後は岡崎勝世~認知科学行動経済学NLPに進むとよい。

 インド由来の宗教はこの信念を(ごう)と説いた。後に瑜伽行唯識学派唯識へと昇華する。

 心理学ではアルバート・エリスアメリカ)がABC理論を唱え、認知行動療法の道を開いた。

 思考の枠組みを設定し直すことをリフレーミングという。悟りとは「認識の転換」である。科学がいよいよ宗教の領域に追いつきつつある。ただし量子力学の世界はとっくに宗教を凌駕(りょうが)している。