斧節

混ぜるな危険

インナーボディとつながる

『ザ・ワーク 人生を変える4つの質問』バイロン・ケイティ、スティーヴン・ミッチェル

 ・インナーボディとつながる

 インナーボディとつながっているためのコツは、インナーボディを常に感じていることです。こうすると、人生が速(すみ)やかに変化してきます。意識をインナーボディに向ければ向けるほど、波動が高まってきます。ちょうど照明のスイッチをひねっていくと、光が明るさを増してくるのと同じです。この高いエネルギーレベルに達した人は、もはやネガティブ性から影響を受けることはありません。高い波動を反映した状況を引きよせるようになります。


 ほとんどのあいだ、意識をインナーボディにおいていると、「いま」にいかりをおろせます。こうすれば、もう出来事の中で、自分自身を見失ったり、思考の中に自分自身を埋没(まいぼつ)させたりすることはありません。思考や感情、恐れや願望を、まだいくらか抱いているかもしれませんが、それらに支配されたりはしません。


 では、ここで「いま、この瞬間」自分の意識が、どこに向けられているか、チェックしてみましょう。あなたは本書を読んでいますね。意識は、本書を読むことに注がれています。でも、それと同時に、周囲の環境にも、なんとはなしに気づいているでしょう。さらに、読んでいる内容について、同時に頭の中でああでもない、こうでもないと「実況解説」をしていませんか? それでもなお、意識が全部そららに占領されてしまっているわけではなく、いくらか「あまり」があるでしょう。その「あまり」で、インナーボディに意識を向けられるか、ちょっと試してみましょう。意識を全部使ってしまわずに、いくらか、インナーボディに残しておくのです。からだ全体を、ひとつのエネルギー場として、内側から感じるのです。これは、からだ全体で、ものを聞いたり、読んだりしているような感覚です。このエクササイズを、これから1週間、2週間と継続的に実践していきましょう。


 意識をすべて、思考と外界に消費しないことです。自分がおこなっていることには、集中すべきですが、それと同時に、できるかぎり自分のインナーボディを感じるのです。インナーボディにしっかりと根をおろしましょう。このように心がけることで、意識がどんな風に変化していくか、活動のクオリティに、どんな変化が見られるか、観察してみてください。


 たとえばどこにいても、待っている時には、インナーボディを感じる時間に充(あ)てましょう。そうすれば、車の渋滞や、順番待ちも、楽しいひと時に変わります。頭の中で、「過去」や「未来」を映し出すかわりに、インナーボディに根をおろして、さらに、「いま」に深くはいりこみましょう。


 インナーボディへ意識を向けていると、生き方がガラリと一新します。「大いなる存在」につながっている時間も増え、人生に奥行きが加わります。


 インナーボディに根をおろしていると、「いまに在(あ)る」ことが容易になります。外界でどんな出来事が起ころうと、わたしたちはびくともしないのです。「からだに住まう」ことは、「いまに在る」ためには、欠かせません。


【『さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる』エックハルト・トール:飯田史彦〈いいだ・ふみひこ〉監修、あさりみちこ訳(徳間書店、2002年/原書、1999年)】

「あまり」という部分が大事である。別のページでは「スペース」とも語っている。余白、隙間(すきま)、静けさに気づくことから悟りは始まる。量子世界では空間も時間も連続性が失われる。ミクロ世界はプランク定数で断続的に構成されているのだ。つまり直線ではなく切り取り線状態になっている。

 日常生活でインナーボディを意識すると、まず姿勢がよくなる。しかも筋肉を働かせて維持するわけではなく、自然と骨が立つのだ。これは新しい発見だった。エクササイズを心掛けていると、あらゆる場面でインナーボディへ意識を向けることができるようになってくる。バイクを運転している時も、キーボードで入力している時も。

 まだ修行が足りないせいか、少しフワフワした感覚に包まれる。妙な浮揚感がある。やがて空を飛べるようになるかもしれない。

 インナーボディとつながることは「見えない世界とつながる」ことでもある。見えない。が、感じることはできる。

 実はエックハルト・トールをずっと避けてきた。顔が苦手だったのだ。大体、著作のタイトルが悪すぎる。本書の原題は「 The Power of Now: A Guide to Spiritual Enlightenment」(今の力: スピリチュアルな悟りへのガイド)である。本書の内容からすれば、「今に在る」でいいだろう。しかも、どういうわけか、飯田史彦がでかい顔をしている。『生きがいの創造』(PHP研究所、1996年)は読んだが、「ちょっと、あれだな」という感想しかなかった。飯田はそんなに大物なのか? 徳間書店は取り敢えず飯田ファンに買わせようと目論んだのだろう。見え透いたマーケティング手法だが逆効果だと思う。私程度の読書量でも飯田の名前を見ただけで避けてしまう。更に、あさりみちこの訳文は平仮名が多すぎて読みにくい。読点も異様に多い。なるべく早いうちに改訂版を出すべきだろう。

ニュー・アース』を読み始めて、「しまった!」と思ったのは上記の理由による。だが、もっと早く読んでいればかえって勘違いした可能性もある。パパジ、ラメッシ・バルセカールと進んだ後で読んだのは実にタイミングがよかった。

 ドイツから覚者が生まれた。日本からはいつ出てくるのだろうか? ダンテス・ダイジは宗教的天才だと思うが、エックハルト・トールほどの表現力はない。ヘルメス・J・シャンブあたりが期待できそうだ。

【2023-11-21】