斧節

混ぜるな危険

佐川幸義の合気

『雷電本紀』飯嶋和一
『日本の弓術』オイゲン・ヘリゲル
・『鉄人を創る肥田式強健術』高木一行
・『肥田式強健術2 中心力を究める!』高木一行
・『古武術の発見 日本人にとって「身体」とは何か養老孟司甲野善紀
・『表の体育裏の体育 日本の近代化と古の伝承の間(はざま)に生まれた身体観・鍛錬法甲野善紀
『武術の新・人間学 温故知新の身体論』甲野善紀
・『惣角流浪今野敏
『鬼の冠 武田惣角伝』津本陽
・『孤塁の名人 合気を極めた男・佐川幸義津本陽
・『深淵の色は 佐川幸義伝津本陽

 ・死ぬまで進化し続けた佐川幸義
 ・佐川幸義の合気

・『佐川幸義 神業の合気 力を超える奇跡の技法』『月刊秘伝』編集部編
『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』増田俊也
木村政彦を投げた合気道 阿部謙四郎の技術解説動画

 初めて先生にお会いした日(昭和53年11月28日午後4時頃)、応接間にて、「私の胸を両手でしっかり摑んでみなさい」と先生は言われた。何をされるつもりかわからなかったが両手で先生のセーターをしっかりつか(ママ)んだ。体ではなく、セーターだけをつかんだ。その瞬間、先生がわずかに動かれたと思ったら、次にはなぜか私は床に倒れていた。さっぱり訳が分からず、今はどうかしていたのかもしれないと思い、「もう一度お願いします」と今度は足も踏ん張り倒れないような大勢をとった。しかし、今度も先生は全く手も使わないで体がわずかに動いただけで倒された。「すいません、もう一回お願いします」と、その後数回にわたっていろいろ頑張り力を変えては抵抗しようとしたが、何も感じないのに気付くと倒れているということの繰り返しであった。いくら力を入れてもゆるゆるしたセーターにまで力が伝わるとはどうしても思えず、これは本当にすごいと思った。


【『透明な力 不世出の武術家 佐川幸義』木村達雄〈きむら・たつお〉(講談社、1995年/文春文庫、2008年)】

 セーターを通して相手の体を投げ飛ばすというのは想像を絶する。本当に「宮本武蔵を超えていた」(本書)可能性がある。

 私が合気と感じた動画を紹介しよう。

 どれも実に不思議である。筋肉の反射作用を利用しているのは理解できる(つかんだ手を離すことができない、など)が、実際に受けてみないとわからないことだろう。要は接触した位置から遠くの筋肉を働かせた方が合気は効くのだ。

 佐川と初めて会った時、木村は既に合気道5段であった。武術の奥深さ恐るべし、としか言いようがない。

【2023-12-27】