斧節

混ぜるな危険

自衛隊に関する主張を180度変えた公明党

『創価学会を斬る この日本をどうする2』藤原弘達 1969年
『池田大作先生への手紙 私の自己批判をこめて』原島嵩 1980年
『創価学会・公明党 スキャンダル・ウォッチング これでもあなたは信じますか』内藤国夫 1989年

 ・自衛隊に関する主張を180度変えた公明党
 ・バブル前後は事件まみれの創価学会
 ・小説『人間革命』のゴーストライター
 ・渡辺元蔵相の「脱税もみ消し」発言

『落ちた庶民の神 池田大作ドキュメント』溝口敦 1995年
『徴税権力 国税庁の研究』落合博実 2006年

 池田氏が「創設」した公明党は、かつては「違憲の疑いが強い」(正木政審会長-当時)としていた自衛隊について、こんにちでは合憲論を他党にまで要求し、なぜ、その主張を180度変えたかについて、何一つ説明できない。ソ連崩壊後も「世界の憲兵」戦略を推しすすめるアメリカに追随して、日米軍事同盟を維持・強化し、PKO法という自衛隊海外派兵法を成立させた第一の“功労者”も公明党であった。


【『池田大作 幻想の野望 小説『人間革命』批判』七里和乗〈しちり・わじょう〉(新日本出版社、1994年)】

 正木良明についてはWikipediaに「創価学会元理事長の正木正明とは無関係」とある。

 七里和乗はペンネームで覆面作家であると思われる。新日本出版社日本共産党系の出版社で、本文中に「共創協定」(21ページ)とあることから、共産党員と見て間違いあるまい。説得力を持たせるためかきちんと敬称をつけていて、品行方正な印象付けに成功している。

江藤俊介や七里和乗なんていないんです!(追記・訂正あり) - bogus-simotukareのブログ

 創価学会員が国防について何も考えてないことが露呈している――と書くのは簡単だが、実際はもっとややこしい。大東亜戦争に関する正しい歴史認識が知られるようになったのは、新しい歴史教科書をつくる会の結成(1997年)と、『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』(小林よしのり作、1998年)に始まる。それまでは日本人全員が左翼思考に陥っていた。例えば、「犯罪者はもちろん悪いが、そのような犯罪者を生んだ社会にも責任がある」というもの。公言はしないが「そんな社会は破壊されて然るべきだ」との考えに誘導するのが左翼の密教である。

 世情の機を見るに敏な創価学会は、60年代に絶頂を迎え、70年代に尻すぼみとなった安保闘争をまるで引き継ぐようなタイミングで「反戦・平和」に舵を切った。70~80年代の月刊誌『潮』を見れば明らかだが、左翼の論客が勢揃いしている。

 それにしても当時の学生部が何らかの意見を表明しなかったのが不思議である。

PKO協力法が施行されたのは1992年のこと。以前書いたが、婦人平和委員会のメンバーである区副婦人部長が「私たち婦人平和委員会としては、絶対にこれを許さないし、阻止します!」と支部活動者会で語ったことをよく憶えている。

 ま、主張がコロコロと変わるのは創価学会の十八番(おはこ)である。法主や本尊に対する見解ですら180度変えたわけだから(笑)。